ねこのじかん

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カテゴリ:絵とおはなし( 3 )

記憶の底に響いている声

刷り込みというのは恐ろしいもので、物心ついた頃から記憶の底で響き続けている声がある。
岸田今日子さんが朗読する、鈴木三重吉の「湖水の女」だ。
「湿ったパンを持った人よ 私はあなたのお嫁になりたくはありません」
こんなフレーズを幼児期の記憶に残している人は珍しいかもしれない。

Johanesburgで過ごしたコドモ時代、私は絵本とレコードに囲まれていた。
日本を離れて海外にいると日本語に触れないまま育つことになるのを恐れ、
両親は日本から「ドレミファブック」などのレコードつき絵本シリーズを取り寄せた。
おかげで妙に童謡のレパートリーが多くなり、
ほうっておくといつまでもさえずり続ける、少々やかましいコドモになってしまった。
私の基礎部分は、PaddintonとPeter RabbitとNursery Rhymes(Mother Goose)、
それにこれらのレコードつき絵本で形成されたように思う。

「湖水の女」は、その中にあった「赤い鳥名作集2」(中央公論社・刊)に収録されていて、
なぜか私は何度も何度も繰り返しレコードを聴いていた。よほど気に入ったのだろう。
多少の記憶違いはあるが、そらで暗誦できるまでになって、今でも大部分を覚えている。

その「最初の記憶」を作ってくれた岸田今日子さんが、17日に亡くなったと聞いた。
実際にお会いしたことはついになかった人だけど、なんだか寂しくって仕方がない。
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by hazuki-cat | 2006-12-21 23:53 | 絵とおはなし

『WALKING TOUR』 発売

このBlogからもリンクさせていただいている「Saparak」のサイト主、saparaさん。
関西在住の彼とは、zabadakの曲を演奏して遊ぶ
サークルのようなもの(説明が難しい…)で知り合った。
なぜか、関東の会で(笑)
遠路はるばる、「たかが音楽」の集まりのために新幹線使って遊びに来る、
なかなかにアクティブなお方なんである。
その後も私があちらにお邪魔したり、saparaさんがこちらにいらしたりと、
500km超の距離をものともせず、おつきあいが続いている。

さて、そんなsaparaさんが「spr」名義でFlashを発表したのは、2004年8月頃だったか。
WALKING TOUR」というタイトルのそれはネット上でじわじわと広がっていき、
最初は彼の作品だと知らなかった私も、偶然見かけて涙した。
ちょっとGoogleで検索をかけてみても、この作品に触れたサイトのなんと多いことか。
2ちゃんねるキャラということから色眼鏡で見る人もいるが、
f0014658_182032.jpgsaparaさんのあったかさがよく出た秀作だと思う。
だからこそこんなにファンが増えたのだとも。

そのFlashを絵本風に編集したCDブックが、
このたび学研から発売された。
ゲラの段階でも見せてもらっていた作品だけに、
とうとう発売かと思うとうれしくなってしまう。
もう書店に並んでいるようだが、私はまだ手にできず。
わくわくしながら、
絵本でもsaparaさんに会える日を楽しみにしている。

※「WALKING TOUR」公式版のサイトはこちら
最初に発表されたものとは、著作権その他の理由で少し変更されています。
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by hazuki-cat | 2006-09-22 23:30 | 絵とおはなし

王子狐の行列

今年も残すところあと10日あまり、年越しの話をする頃になりました。
私が住んでいる街の隣町にあたる東京・王子では、
毎年大晦日の晩に「王子狐の行列」があるのをご存じでしょうか。
狐の面をかぶり、化粧をして狐に扮した大勢の人達が行列をして歩きます。
観に来た人達を狐の世界に連れていく、幻想的なお祭りです。
王子の人たちは数十年前から「かがり火年越し」「狐ばやし」で事起しをするようになり、
きちんとした形になったのは近年になってからとのことだとか。

f0014658_2127524.gifなぜ伝聞の形で書いているかというと、
まだ見に行ったことがないからなのです。
実家からしてこれだけ近くにありながら、
大晦日の夜はたいてい、
やっと休みになって部屋の大掃除にかかりきりか、
友人たちを集めて年越し飲み会をやっている感じ。
風情も何もあったものじゃありません。
今年こそは…といいたいところですが、
どうやら今年も自宅で飲み会になるようです(笑)

右の画は、歌川広重「名所江戸百景」シリーズ中の
名作「王子装束ゑの木 大晦日の狐火」。
昔はこんな田園風景の中にあったのですね。
狐の行列について行ったら、
江戸の空へとタイムスリップできるでしょうか。
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by hazuki-cat | 2005-12-21 21:13 | 絵とおはなし